2歳から3歳にかけては「イヤイヤ期」と呼ばれる時期に差し掛かり、自己主張が強くなる一方で、言葉や感情の扱い方が未熟なため、親にとっては試練の連続かもしれません。
しかし、実はこの時期こそが、心と体の基礎力を育てる“土台作り”のチャンスです。
この記事では、発達心理学にもとづいて「2〜3歳で育てたい5つの力」と、それを無理なく家庭で伸ばすためのヒントをご紹介します。
1. 自己肯定感(やってみたい気持ち)
「じぶんで!」「ちがう!」と主張が強くなるのは、自立心が芽生えている証拠です。
・「できた!」という体験を積み重ねることで、自信が育ちます。
【家庭での工夫】
・手伝ってもらいたいときも、まずは“任せてみる”
・結果よりも“チャレンジしたこと”を言葉で褒める
2. 言葉の理解と表現力
語彙が爆発的に増える“言葉の黄金期”。親の語りかけが子どもの世界を広げます。
・簡単な文章や絵本の内容を理解し、真似して話すようになります。
【家庭での工夫】
・絵本を一緒に読んだ後、「これはなに?」「どうだった?」と会話する
・子どもの言葉を繰り返して返す(例:「ワンワンいたね」→「そうだね、ワンワンがいたね!」)
3. 感情のコントロール(怒り・不安・喜びの扱い方)
感情が爆発しやすい時期でもありますが、それはまだ感情の扱い方を知らないから。
【家庭での工夫】
・怒って泣いているときはまず“気持ちを受け止める”
・「〇〇がいやだったんだね」と言葉にしてあげると気持ちが整理されやすくなります
4. 基本的な運動能力(ジャンプ・片足立ち・投げる)
身体を動かすことで脳への刺激が入り、集中力や空間認識の土台が育ちます。
【家庭での工夫】
・外遊びや室内用トンネル・滑り台などで“動きの種類”を増やす
・投げる、蹴る、運ぶといった動きで全身運動
5. 指先の巧緻性(手先を使う力)
細かい動きが少しずつできるようになる時期。鉛筆やスプーン操作の準備にもなります。
【家庭での工夫】
・シール貼り、マグネット遊び、型はめで“目と手の協応”を鍛える
・お絵描きや水で描けるぬりえも効果的
まとめ:できる・できないより「やってみたい」を大切に
2歳〜3歳は“イヤイヤ期”という言葉で語られがちですが、子どもにとっては「自分でやりたい!」という大きな一歩の連続です。
この時期の親の関わりは、できるできないの評価ではなく、「挑戦してみたい」という気持ちを後押しすること。
子どものやる気と安心感を育てることで、次の3歳〜4歳の飛躍につながっていきます。